海外の大手仮想通貨取引所「BitMEX」から、
2020年5月1日より「日本ユーザーの取引を禁止することが発表されました」
この記事では、BitMEX日本撤退の詳細と、代わりになる業者についてまとめました。
5月1日から日本人居住ユーザーはアクセス制限へ
2020年4月28日夜、BitMEXより日本の居住者の皆様へというお知らせが公開されました。
また「重要-お読みください:お客様のBitMEXアカウントに関する重要なお知らせについて」
というメールがサービス利用者に配信されました。
発表の内容については、公式ページの記載とメールで若干違いがあります。
公式ページでのお知らせ「日本の居住者の皆様へ」
BitMEX公式サイトにおいて、「日本の居住者の皆様へ」というお知らせが公開されました。
簡単に内容をまとめると以下の通りです。
- 日本居住者のBitMEXへの新規登録は2020年4月30日23時(日本時間)をもって終了
- 日本居住の既存ユーザーは2020年5月1日零時以降、「新規ポジションを持つ」「既存ポジションを拡大する」という取引ができなくなる
- 既に保有しているポジションには影響はでない
- 今回の措置は、日本で5月1日より施行される法律の影響
- 日本の金融庁との協議は継続して行っていく
お知らせ全文書き起こし
新規登録に関しては2020年4月30日23:00:00(日本時間)をもって、既存ユーザ様に関しては2020年5月1日00:00:00(日本時間)をもって、当社は日本の居住者のアクセスを制限します。
これにより、BitMEXプラットフォームに初めて登録される日本の居住者は、取引を行うことができません。
既存のお客様は、新たにポジションを構築し、もしくは既存のポジションを拡大する取引を発注できなくなります。
しかし、お客様が既にお持ちのポジションが影響を受けることはなく、これらは関連する契約約款に従い継続されます。
これらの制限は、金融商品取引法及び資金決済に関する法律の改正が今月初旬の政令により5月1日から施行されることになったことを受けたものです。
当社は、暗号資産商品に関して規範を定立し、急速に拡大するアセットクラスの発展を支えようとされる当局の努力を支持いたします。
当社は、日本市場に関する当局のねらいを支持するとともに、当局との協議を継続したいと考えており、進展がありましたらお客様にお知らせいたします。
ご質問がありましたら、ご遠慮なく問い合わせフォームより当社サポートへご連絡ください。
メールでのお知らせ「重要-お読みください:お客様のBitMEXアカウントに関する重要なお知らせについて」
メールでは、公式サイトお知らせの内容に加えて以下の情報が書き加えられています。
- アフィリエイトプログラムの終了
- 必要証拠金以外の出金のお願い
- 証拠金維持のためのビットコインの預け入れの許可
メール全文書き起こし
お客様各位
日本政府が暗号資産への規制を進め、強化しようとしていることは、報道などからご承知のことと存じます。
当社は、この急速に拡大するアセットクラスの発展を支える規範を定立しようとする当局の努力を支持いたします。
今月はじめの政令により金融商品取引法及び資金決済に関する法律の改正が施行されることを受け、当社では日本の居住者の皆様へ提供するサービスを変更いたします。当社のWebサイト上で発表された通り、2020年5月1日午前零時(日本時間)をもって、既にアカウントをお持ちのユーザーが利用できる機能が制限されます。これにより、お客様は当社のアフィリエイト・プログラムから手数料を受け取ることができなくなります。また、新たにポジションを構築したり、既存のポジションを拡大する取引を発注したりすることはできなくなります。しかし、お客様がすでにお持ちのポジションが影響を受けることはなく、これらは関連する契約約款に従い継続されます。当社にお預けいただいているビットコインは、ポジションの証拠金として必要となる範囲を除き、ご出金いただきますようお願いいたします。なお、お持ちのポジションの証拠金を維持するために必要なビットコインを預け入れることは認められます。
当社は、日本市場を支える当局との協議を継続する意向であり、進展がありましたらお客様にお知らせいたします。ご質問のある方、または当社での取引が制限されていない国または地域に居住されている方は、ご遠慮なくsupport@bitmex.comより当社サポートへご連絡ください。
BitMEXが日本を撤退する理由は?
お知らせやメール中にもある通り、今回のBitMEXの措置は5月1日より日本で施行される政令の影響を受けたものです。
「令和元年資金決済法等改正に係る政令・内閣府令案等に対するパブリックコメントの結果等について」
の中では以下のような記載があります。
(2)暗号資産を用いたデリバティブ取引や資金調達取引に関する規制の整備
1.暗号資産交換業の登録の申請、取り扱う暗号資産の名称又は業務の内容及び方法の変更に係る事前届出等に関する規定を整備する。
2.金融商品取引業者等の業務管理体制の整備、広告の表示方法、顧客に対する情報の提供、禁止行為、顧客の電子記録移転権利等の管理方法等、暗号資産を用いたデリバティブ取引や資金調達取引を業として行う金融商品取引業者等の業務に関する規定を整備する。
この項目にあるように、日本で暗号通貨を用いたデリバティブ取引(ビットコインFX等)を行う場合は、FXと同様に、金融商品取引法に基づく指定事業者の登録を受ける必要が生じます。
BitMEXが日本で継続して事業を行うためには、レバレッジ制限や追証の義務などの基準をクリアする必要があるということになります。
こうした日本の金融庁からの圧力により、BitMEXが日本居住者の利用を禁止することに至ったと考えられます。
早めにBitMEXの残高を全額出金したほうがいい?
「現在BitMEXで保有しているポジションには影響は出ない」としながらも、
必要証拠金以外の残高は出金を促す内容がメールには書かれています。
ポジションの拡大ができないということは、ナンピンや両建てもできなくなることを意味しており、
取引が直接的に制限されてしまいます。
こうした状況を踏まえると、
「できる限り早めにポジションを清算してBitMEXから撤退する」
というのがベストだと考えられます。
日本からのアクセスを遮断するという措置なので、
VPNを利用して、BitMEXが利用可能な国からアクセスするという裏技もあります。
しかしこの方法はあまりおすすめできません。理由は2つあります。
1つ目の理由は、VPNを介すとどうしてもレスポンスが遅くなってしまうからです。
即時性の要求されるFX取引には向いておらず、思わぬ損失を被る可能性があります。
2つ目の理由は、発覚した場合アカウント凍結や出金拒否などの対応がなされる場合があるからです。
これはサービス利用規約にも記載があります。
今後も仮想通貨FXを続けるなら、他の取引所を使うのが賢明だと思います。
BitMEXから移行するならBybit一択!
BitMEXと同じような取引環境を求めている方は
Bybitという取引所がおすすめです。
Bybitはシンガポールに本拠地を置く取引所です。
BitMEX同様、仮想通貨FXに特化した取引所で、最大100倍のレバレッジで取引が可能です。
機能もBitMEXとほぼ同じなので、移行を考えている方には最もおすすめできる取引所です。
サーバーも比較的軽い部類で、サクサク取引できます!
特徴を簡単にまとめてみました!
- 最大100倍のレバレッジで取引可能
- 追証なし(借金リスクゼロ)
- BitMEXよりも強力なトレードエンジンを搭載
- 日本語のチャットサポートに対応
まとめ
現在BitMEXを利用している方は早めに出金をして、別の安全な取引所を利用するようにしましょう。
個人的には、日本の政令は「国民を守るための措置」に全くなっていないと感じています。
大手の取引所へのアクセス制限によって、結果的には危険な新興取引所を利用しようとするトレーダーは多くなると思うので、真逆の結果を招いてしまうのでは…?と思いました。