特にMetaTraderを利用していると、国内FXではあまり馴染みのない「余剰証拠金」という用語が登場します。
そんな資金管理をする上でも、証拠金の違いを理解しておくことはとても重要です!
この記事では、海外FXで頻繁に登場する“3つの証拠金”についてわかりやすく解説していきます。
FXには3種類の証拠金がある!
まず全体像をとらえましょう。
FXにおいて、証拠金というものには3つの種類があります。
有効証拠金とは?
有効証拠金は、
「取引に利用可能なお金の総額」のことをいいます。
注意点としては、有効証拠金には「未確定損益」が含まれます。
ポジションを持っている状態で有効証拠金を確認すると、所持しているポジションの「含み益・含み損」がすべて合算された金額が有効証拠金として表示されます。
例えば、10万円をFX業者の口座に入金すれば、有効証拠金は10万円になります。
口座残高はポジションを決済するまで変動しない
有効証拠金は含み益・含み損によって常に変動していますが、
口座残高の金額はポジションが決済されるまで変動しません。
つまり、口座残高と有効証拠金の関係は次の式で表すことができます。
海外FXのボーナスは有効証拠金という形で反映される
海外FXの場合、ボーナスが受け取れる業者が多いです。
ボーナスというのは、「取引に使える証拠金」のことを指します。
現金では、ボーナスは直接出金できませんが、ボーナスを使って生み出した利益は出金できるという特徴があります。
海外FXのボーナスは、MetaTrader上で有効証拠金に含む形で反映されます。
日本で一番人気の海外FX業者「XM(エックスエム)」の100%入金ボーナスを例に考えてみます。
100%入金ボーナスの場合、入金額の100%分の証拠金を受け取れます。
5万円入金した場合、入金額の100%、つまり5万円分のボーナスが証拠金として受け取れます。
つまり、XMで100%入金ボーナスを適用して5万円入金すると、10万円分の有効証拠金が反映されます。
ボーナスが存在する業者では、口座残高と有効証拠金の関係が次の式で表せます。
有効証拠金まとめ
有効証拠金には、以下3つの要素から成り立っています。
- 現金(取引口座に入金したお金)
- 未確定損益(含み益と含み損)
- ボーナス
という式で表せます。
必要証拠金とは?
必要証拠金とは、ポジションを所持しているときにMetaTrader上で表示される証拠金で、
「現在のポジションを持つために、どれだけの証拠金が必要になっているか」
を表しています。
必要証拠金の計算方法
必要証拠金は以下の式で計算ができます。
例えば日本円で米ドルをレバレッジ1000倍で10万通貨(1ロット)所有する時のことを考えると、
となり、10,000円が必要証拠金ということになり、ポジションを持っている間は有効証拠金から差し引かれます。
ちなみに、XMには必要証拠金を計算できるツールが用意されています。
XMユーザーでなくても利用可能なので、ぜひ活用してみてください!
ツールの使い方については、以下の記事で詳しく解説しています。
余剰証拠金とは?
余剰証拠金とはその名の通り「余分に余った証拠金」のことで、
有効証拠金から必要証拠金を差し引いた金額を意味しています。
余剰証拠金は、自分の証拠金にあとどれくらい余裕があるのかを示すものであり、余剰証拠金の範囲で新規の注文が可能になります。
多ければ多いほど自分の資産に余裕がある状態を表しており、反対に余剰証拠金が少ないと、ギリギリの取引を行っているということになります。
「余剰証拠金=出金可能額」だけどロスカットに注意
余剰証拠金とは、有効証拠金から現在のポジションを持つために必要な証拠金(必要証拠金)を引いた額なので、
余剰証拠金=出金可能額になります。
しかし、余剰証拠金というのは
「含み損が大きくなったとき、ポジションを維持するために使われる」という点を忘れてはいけません。
出金可能だからと言って、ポジションを持った状態で余剰証拠金を出金すると、
証拠金維持率が下がり、強制ロスカットのリスクが高まります。
ポジションを持っているときに出金の必要がある場合は、計画的に出金額を決定しましょう。
余剰証拠金と有効証拠金の違いはなに?
余剰証拠金と有効証拠金の違いをまとめると、
- 余剰証拠金
→新規ポジションを取得するための証拠金にどれだけ余力があるか - 有効証拠金
→口座にあるすべての証拠金の合計。
「取引に使っている証拠金」「使っていない証拠金」「取引で出ている損益」「ボーナス」のすべての合計額を指す。
どちらも、為替差益によりリアルタイムで金額は変化します。
余剰証拠金の計算方法
それでは実際に、余剰証拠金の計算シミュレーションをしてみます。
余剰証拠金を求めるためには、現在自分が持っている証拠金の総額である、有効証拠金を計算する必要があります。
今回は自分で口座に10万円を入金し、その時に貰えるボーナスを2万円(実際にXMでは5万円以上の入金に対して20%のボーナスを貰うことができます)、そして現在取引で1万円の損をしてしまっているとしましょう。この場合の有効証拠金の計算式は、
なので
ということになります。そして新しく取引を行う場合にはもちろんこの額以下の取引を行うことになります。
必要証拠金の計算方法は上でも解説しましたが、慣れるためにももう一度違う数字でしてみましょう。
今回は1ドル100円の米ドルをレバレッジ100倍で10万通貨購入するとします。
この時に最低限必要な証拠金、つまり必要証拠金は、
つまり
ということになります。この額は先ほど計算した有効証拠金110,000円よりも低いため、取引を行うことができます。
そしてこの取引が残った後の資金である余剰証拠金を計算したいと思います。
で計算できるので、
となります。
このようにして計算してみるとわかることがあります。
それは余剰証拠金が10,000円しか残っていない、つまり現在この投資はとてもギリギリだということです。
このまま入金することがなければ、今回の取引で損失を出してしまった場合すぐに余剰証拠金がマイナスとなってしまいます。
また10,000円以上の取引はもうすることができなくなってしまっているので、崖っぷちだということになります。
日頃から証拠金の管理をきちんと行い、計画的な運用を行うことの大切さがわかっていただけたかと思います。
「両建て」すると余剰証拠金はどうなる?
FX業者によって、両建てをした際の証拠金の掛かり方がことなります。
多くの業者は、「両建て」の際にどちらのポジションにも証拠金が必要としています。
XMのように「両建て中は必要証拠金が0になる業者」もあります。
この場合、「両建て」をしている状態では有効証拠金から必要証拠金が引かれないので、余剰証拠金を多く確保できるという特徴があります。
証拠金維持率とは?
証拠金維持率とは、
現在保有しているポジションが口座の残高に対してどれくらいの比率を占めているかを示す数字です。
例えば証拠金維持率が低いということは、自分の持っている証拠金に対して、ポジションを持つために必要な証拠金の占める割合が大きいということを表しています。
反対に、証拠金維持率が高いということはそれだけ証拠金に余裕があり、新規注文ができる余力があったり、大きな含み損に耐えられることを意味しています。
証拠金維持率が低すぎれば「リスクの高すぎる取引」と言えますし、逆に高すぎれば「資金効率の悪い取引」になってしまいます。
証拠金維持率が高すぎたり低すぎたりするのではなく、丁度よい維持率をキープすることが、FXで安定的に高い収益を得る上で重要です。
証拠金維持率の計算方法
という式で計算することができます。
単純に、有効証拠金と必要証拠金の比率から求めることができます。
また、あらかじめ証拠金維持率を固定することで、今の有効証拠金から理想的な必要証拠金を求めることができます。
トレードで理想的な必要証拠金がわかれば、その必要証拠金で持てるロット数も導くことができます。
例えば、自己資金30万円(ボーナス含む)で300%程度の証拠金維持率に調整するためには、以下のような計算を行います。
この式を計算すると、必要証拠金=100,000円となります。
必要証拠金は上記の式で表せるので、XMの最大レバレッジ1000倍でドル円を100円とすると…
となります。
取引サイズは1,000,000通貨と計算できるので、スタンダード口座のロット数に変換すると、
10.0ロット分のポジションを持つことで有効証拠金が300%になります
余剰証拠金がマイナスになったらどうなる?
FXで取引をしていると、余剰証拠金がマイナスこともあります。
余剰証拠金がマイナスになるとどのようなことが起こるのか解説します。
①:ポジションを追加で持てなくなる
余剰証拠金がマイナスになってしまうということは、取引での損失が原因で有効証拠金が減ってしまい、
有効証拠金よりも必要証拠金のほうが多くなっている状態です。
「有効証拠金>必要証拠金」という状態なので、
余剰証拠金がプラスにならないと、新しくポジションを持つことはできません。
余剰証拠金をプラスにするためには、追加で入金を行うか、為替変動によって「含み損が減る」「もしくは含み益が増える」のを待つしかありません。
②:強制ロスカットされてしまう
FXはレバレッジをかけて取引を行うので、
損失が膨らみすぎると「強制ロスカット」が執行されます。
FX業者は必ず、ロスカット水準(ロスカットレベル)を定めています。
このロスカット水準は証拠金維持率で決められています。
国内業者の場合、ロスカット水準は100%の業者が多いです。
つまり、証拠金維持率が100%になった段階で、強制的に持っているポジションがすべて決済されます。
海外FX業者の場合、0%という業者もありますし、100%という業者もあります。
当サイトでおすすめしている「XM」の場合、ロスカット水準は20%に設定されていますので、
証拠金維持率が20%に達した段階で、強制的ロスカットが執行されます。
このように、余剰証拠金がマイナスになり、証拠金維持率が下がると「強制ロスカットされる」という危険性があります。
XMは口座残高が0でも余剰証拠金があればゼロカットは執行されない
XMではゼロカットを採用しているので、口座残高がマイナスになった場合、自動的にマイナスがリセットされる「ゼロカットシステム」を導入しています。
ボーナスや評価損益で余剰証拠金がプラスのうちは「ゼロカットが執行されません。」
特に、損失は「取引口座の現金残高」→「取引口座のボーナス」の順に引かれるので、ボーナス残高が残っていれば口座の現金が尽きても「有効証拠金」「余剰証拠金」がプラスということは十分にあります。
余剰証拠金を多く獲得するには
これまでの説明からも、余剰証拠金は多い方が良いということがわかって頂けたと思います。
余剰証拠金を多くするためには、あらかじめ所持するポジション量を少なく設定しておくことが有効ですが、これだと資金効率が低いので、
継続して勝ち続けても大きな利益を出すことはできません。
しかし、海外FX業者を利用することで、所持するポジション量を変えずに余剰証拠金を多く確保する裏技があります。
自己資金が少なくても余剰証拠金を多く確保するための2つの方法をご紹介します。
1.ハイレバレッジの業者を利用する
レバレッジが高ければ、同じポジションを持つ場合でも必要証拠金が少なくて済みます。
上でも紹介した通り、
なので、
必要証拠金が少なければ少ないほど、余剰証拠金が増えるということになります。
国内FXでは、最大レバレッジは25倍と法律で決められています。
一方で、海外FX業者の場合、日本の法律が適用されないので、25倍の制限もありません。
当ブログでオススメしているXMの場合、最大レバレッジは1000倍です。
- 資金は10万円
- 1万通貨のドル円を持つ
- ドル円の換算レートは1ドル100円
国内FX業者 | XM(海外FX業者) | |
---|---|---|
レバレッジ | 25倍 | 1000倍 |
必要証拠金 | 40,000円 | 1,126円 |
余剰証拠金 | 60,000円 | 98,874円 |
ポジション取得時の 証拠金維持率 |
250% | 10000% |
国内FX業者とXMの証拠金比較シミュレーション
10万円の資金で1万通貨のドル円ポジションを持つ場合を考えます。
また、ドル円のレートは1ドル100円で計算します。
必要証拠金は以下の式で計算できます。
レバレッジ25倍の場合(国内FX業者)
つまり必要証拠金は40,000円、余剰証拠金は60,000円になります。
またポジション取得時の証拠金維持率は、
250%になります。
レバレッジ1000倍の場合(XM)
つまり必要証拠金は1,000円、余剰証拠金は100,000円になります。
またポジション取得時の証拠金維持率は、
10000%になります。
2.ボーナスを活用する
余剰証拠金を多く確保するためには、
海外FXの取引ボーナスを活用するという方法です。
そもそも海外FXにおけるボーナスとは、
出金はできないけど、証拠金として取引に利用可能なクレジット
のことを言います。
当サイトでおすすめしているXMでは、以下のようなボーナスがもらえます。
- 口座開設ボーナス
口座開設をするだけで、3000円のボーナスが受け取れます。 - 入金ボーナス
入金額の100%分のボーナスが受け取れます。
5万円入金した場合、5万円のボーナスがもらえるので、実質証拠金は10万円でトレードできます。 - ロイヤルティプログラムによるボーナス
XMでは取引をするたびにXMP(XMポイント)と呼ばれるボーナスが受け取れます。
このXMPはボーナスまたは現金に交換が可能です。
まとめ
証拠金の種類や計算方法を知らなくても、FX取引は可能です。
資金管理やリスク管理ができないと、「感情に左右されない計画的なトレード」を行うことができないので、FXトレーダーとして安定した利益を出すことはできません。
また、少ない資金から安全に大きな利益を狙うという場合は、XMのような海外のFX業者の利用を検討してみるのもよいと思います。
XMでの口座開設方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。