この記事では、XMのMT4/MT5にピボットのテクニカルインジケーターを導入する方法をわかりやすく解説します。
また、ピボットで具体的に稼ぐための手法についても徹底解説していきます!
そもそもピボットってなに?
ピボット(ピボットポイント)は、7本のラインから構成されるテクニカル指標です。
前日の値動きのデータから、次の日の値動きの基準となる水平線を表示させます。
「逆張り系」で有名なテクニカル指標で、主にトレンドの発生していないボックス相場で使われます。
描画されたラインが価格の転換点になる場合が多いので、
「レンジ相場でのエントリー・イグジットのタイミングを見極めたい」という用途に適しています。
RSIやADXなど、数多くの有名なオシレーターを開発した「J.W.ワイルダー」という方が生みの親です。
ピボットが人気のテクニカル指標である理由は?
ピボットは多くのFXトレーダーに利用されているテクニカル指標ですが、その人気には秘密があります。
多くのテクニカル指標は、チャートで表示させるときにパラメータを設定しますが、
ピボットにはパラメータという概念がありません。
そのため、だれが見ても同じラインがチャート上に表示されます。
「もみ合い・反転・突破」などの値動きの基準になりやすいのです。
ピボットの7本線は何を表しているの?
ピボットは値動きの基準を示す7本の水平線から構成されるテクニカル指標です。
それぞれの線の名前は以下の通りです。
- レジスタンスライン3(R3)
- レジスタンスライン2(R2)
- レジスタンスライン1(R1)
- ピボットポイント(PP)
- サポートライン1(S1)
- サポートライン2(S2)
- サポートライン3(S3)
それぞれのラインが「反転または突破」のターニングポイントになる場合が多いので、ラインまで価格が到達したら売買判断をするという使い方が一般的です。
ピボットポイント(PP)
7本線の真ん中の線をピボットポイント(PP)と呼びます。
以下の計算式で算出されます。
前日の「終値」「安値」「高値」の平均した値で、
現在の価格がPPより上にあれば「上昇サイン」、逆にしたにあれば「下降サイン」を表しています。
レジスタンスライン1(R1)、サポートライン1(S1)
PPのすぐ上、または下にあるのがR1とS1です。
以下の式で算出されています。
S1=PP-(前日高値-PP)
式を見るとわかる通り、ピボットポイントから前日の「安値」「高値」までの値幅を表しているのがR1とS1です。
「前日と同じような相場であれば、R1とS1の範囲に収まる」という基準になるラインです。
レジスタンスライン2(R2)、サポートライン2(S2)
「R1」「S1」の外側にあるラインが「R2」「S2」です。
S2=PP-(前日高値-前日安値)
PPに対して、前日の高値から安値を引いた値を加算・減算しているので、
「平均値から前日の最大の値幅を取ったライン」と言えます。
「ある大きな値動きになっても、前日の最大の値幅の範囲内には収まるだろう」という判断基準になります。
レジスタンスライン3(R3)、サポートライン3(S3)
一番外側に描画されるラインが「R3」「S3」です。
S3=S1-(前日高値-前日安値)
R1、S1からさらに外側に、前日の最大値幅を取った値になります。
前日と同じような相場であればR1、S1の範囲に収まるとしましたが、ここから前日の最大値幅分を取っているので、
「前日と同じような相場であれば、このラインを超えることはまずないだろう」という判断基準になります。
ボックス相場の想定でピボットを使っていて、もしこのラインを超えたなら「トレンド相場に転換した」と見るのが一般的です。
ウィークリーピボット・マンスリーピボットもある!
「ピボットにはパラメータが存在しない!」と解説しましたが、正確にいうと3種類のバリエーションがあります。
- デイリーピボット
⇒スキャルピングやデイトレ向け - ウィークリーピボット
⇒デイトレやスイングトレード向け - マンスリーピボット
⇒スイングトレードや長期トレード向け
例えば、デイリーピボットなら、前日の24時間の値動きをもとに計算されます。
「ウィークリーピボットなら、直近1週間の値動き」
「マンスリーピボットなら、直近1か月の値動き」
をもとにラインが生成されます。
XMでピボットを使うにはどうしたらいい?
XMでは「MetaTrader4(MT4)」または「MetaTrader5(MT5)」のどちらかの取引プラットフォームを利用することになります。
残念ながらMT4/MT5には、初期状態でチャートにピボットを表示する機能はありません。
もしXMでピボットを利用したい場合は、カスタムインジケーターを導入する必要があります。
【MT4用】オススメのピボットインジケーター
MT4とMT5の間には互換性がないので…
「MT4を使っている人は、MT4用のカスタムインジケーター」
「MT5を使っている人は、MT5用のカスタムインジケーター」
を選んでダウンロードする必要があります。
まずはMetaTrader4(MT4)でピボットを表示するためのオススメインジケーターを紹介します。
「Pivot – MetaTrader 4のためのインディケータ」
シンプルなデイリーピボットのインジケーターです。
線の色や幅以外のパラメータがないので、設定に迷うということもありません。
表示期間は無制限で動作も軽いため、こだわりがない場合はこれを入れておけば問題ありません。
≫「Pivot – MetaTrader 4のためのインディケータ」
「FiveTT Pivot Lines」
直近5日間分のピボットを表示するインジケーターです。
各ラインの価格も右上に表示してくれるので、
「具体的な価格を確認できたほうが便利!」という方にはこちらがおすすめです。
【MT5用】オススメのピボットインジケーター
次にMT5用のピボットインジケーターを紹介していきます。
「PivotPoint – MetaTrader 5のためのインディケータ」
シンプルなMT5用ピボットインジケーターです。
前日の価格を参考に、ラインが引かれます。
PZ Pivot Points MT5
通常のピボットだけでなく、3つの異なる計算式のピボットを表示できます。
- Classic Formula
- Woodie Pivot Points
- Camarilla Pivot Points
ピボットポイント – MetaTrader 5のためのインディケータ
デイリーピボットだけでなく、「ウィークリーピボッド」「マンスリーピボット」も描画できるインジケーターです。
≫「ピボットポイント – MetaTrader 5のためのインディケータ」
ピボットのインジケーターをMetaTraderへ導入する方法
ピボットのインジケーターをMetaTraderへ入れる手順を解説していきます。
基本的にはMT4とMT5でやり方に違いはありません。
手順①:使いたいインジケーターのファイルをダウンロード
使いたいインジケーターを決めたら、「mq4」または「mq5」ファイルをダウンロードします。
「Pivot – MetaTrader 4のためのインディケータ」を例に、導入手順を解説していきます。
リンク先を開くと、MQL5コミュニティのインジケーター配布ページに移動します。
(インジケーター名).mq4ファイルをクリックして、PCへダウンロードします。
手順②:MT4の「indicatorsフォルダ」へファイルを移動する
インジケーターのファイルをダウンロードしたら、次にMetaTraderの「indicatorsフォルダ」を開きます。
MT4を起動したら、左上の「ファイル」⇒「データフォルダを開く」をクリックします。
「MQL4」⇒「indicators」のフォルダを開いたら、「indicatorsフォルダ」の中に、先ほどダウンロードしたmq4ファイルを移動させます。
ファイルの移動が終わったら、MT4に戻ります。
手順③:MT4でチャートにインジケーターを適用する
ナビゲーターウィンドウの中の「インディケータ」を右クリックして「更新」をクリックします。
更新が終わったら「インディケータ」の左の「+」をクリックします。
導入したいインジケーターを見つけたら、ピボットを適用したいチャートへドラッグアンドドロップします。
インジケーターのカスタムウィンドウが開きます。
線の色やピボットの表示期間のパラメータを設定したら、最後に「OK」をクリックします。
ピボットがチャート上に描画されたら導入成功です。
インジケーターによってはワンクリックで導入できる場合もある!
ファイル形式で配布されている場合は、「ダウンロード→MetaTraderのindicatorフォルダへ格納」という手順が必要になりますが、インジケーターによってはブラウザ上からワンクリックで導入できるものもあります。
例えば、上で紹介した「PZ Pivot Points MT5 」はワンタッチでMetaTraderへインストールができます。
左側の「ダウンロード」を押すと、MT5がインストール済みか確認する画面が表示されます。
「はい。私はMetaTrader 5を持っています」⇒「MetaTrader 5 Client Terminalを開く」をクリックすると、自動的にMT5が立ち上がり、インストールが始まります。
あとは、追加されたインジケーターをチャート上へドラッグアンドドロップで設定完了です。
スマホ・タブレット用のMetaTraderにインジケーターを表示させる方法はある?
残念ながら、スマホ・タブレット用のMetaTraderにカスタムインジケーターを適用させることはできません。
オススメは「TradingView」のスマホアプリです。
このように、スマホでも問題なくピボットを表示させることができます!
ピボットで稼ぐためのオススメ手法を大公開
ピボットを使って稼ぐための具体的な手法を解説していきます。
基本的なピボットの使い方をマスターしよう
まずは、ピボットの基本的な使い方をマスターしましょう。
前提として、
ピボットはボックス相場で効果を発揮するテクニカル指標です。
そして、「R3またはS3」をブレイクした場合は、トレンド相場へ移行したと判断⇒損切します。
オススメは「R1/S1」と「R2/S2」で半分ずつエントリーする手法
王道的なピボットの使い方でオススメなのは、「R1/S1」と「R2/S2」で半分ずつエントリーする手法です。
1回のトレードで1lot投入する想定で説明します。
上の画像の例だと、P⇒S1に到達した段階で0.5lotのロングポジションを取得します。
さらに価格が下落してS2に到達した段階で、さらに0.5lotのロングポジションを追加で取得します。
その後S2で反発してS1へ価格が戻ったら、S2で取得した0.5lotのロングポジションを決済します。
更にそのあと、Pへ到達すれば最初に取得した0.5lotを決済してトレード終了です
S1へ戻った後、さらに反発してS2へと下落したら、0.5lotのロングポジションを取得する…といった流れでトレードを行います。
R3/S3をブレイクしたら損切をしよう!
次の画像は、R3/S2へ到達して損切する例です。
R1で0.5lotのショートポジションを取得、その後さらに価格が上昇しR2へと到達したので、0.5ロットのショートポジションを追加で取得しました。
しかし、R2で反発せず、R3へと到達しました。
R3をブレイクしたと判断したのでここで損切を行いました。
このように、R3をブレイクするとトレンドが発生して、その後大きく価格が動く傾向にあります。
R3/S3ではダマシに注意しよう!
最後に、騙しに遭遇してしまうケースの画像を紹介します。
画像のように、R3へ到達したにもかかわらず、ここで反発してしまいP方向へ戻るダマシもあります。
R3へ到達するときの「値動きの勢い」に注目しながら「ブレイクか否か」を見極められるよう練習しましょう。
ピボットだけでは勝ちにくい…他のテクニカル指標と一緒に使うのが最もおすすめ!
ではピボットだけで勝ち続けることができるかというと…
それは結構難しいです。
私の経験だと、ピボットだけを利用した場合の1トレード当たりの勝率は30%程度です。
ダマシを見極めるには「ピボット×移動平均線」が有効!
移動平均線を使いことでトレンドの勢いを見ることができるので、ダマシを回避できる確率が高まります。
具体的には、「R1/S1」「R2/S2」にそれぞれ達した段階ではエントリーせず、
移動平均線でトレンドの勢いが弱まっているのを確認してからエントリーするという方法です。
大きなトレンドが発生している場面では「R1/S1」「R2/S2」で止まらずに「R3/S3」へ伸びることが多いので、「R1/S1」または「R2/S2」に達した時の勢いが弱まってからエントリーするのがおすすめです!
移動平均の使い方については、以下の記事で詳しく解説しています。
まとめ
XMでピボットを使う方法と、具体的の手法について説明してきましたが、いかがだったでしょうか。
レンジ相場において、ピボットはかなり重要なテクニカル指標になります。
シンプルで直感的に使える指標なので、初心者にもおすすめできます。
また、他のインジケーターとも組み合わせやすいので、自分で編み出した売買ロジックにピボットを取り入れることで、より優位性の高い手法を編み出すことできるでしょう。