という疑問をお持ちの方向けの記事です。
この記事では、年間取引報告書を作成する方法を詳しく解説していきます。
また、XMの取引で発生する税金や節税対策も簡単に説明していきます。
年間取引報告書とは?
年間取引報告書とは、1年間(1月1日~12月31日)にFX取引で発生した
- 損失
- 利益
- 口座残高
年間取引報告書は、確定申告の時に必要になります。
確定申告は、納めるべき税金の額を確定するために行うものです。
MT4/MT5で年間取引報告書を作成する方法
年間取引報告書の作成にそれほど時間はかかりません。
ここでは、MT4で年間取引報告書を出力する方法をご紹介します。
(下記画像では「保存先:デスクトップ」、「ファイル名:Statement.htm」)
年間取引報告書の見方
年間取引報告書の作成が完了したら、内容を見てみましょう。
保存したhtmlファイル(拡張子.htm)を開くと閲覧することが可能です。
記載は全て英語ですが、
見方としては「預金通帳」をイメージしてもらえれば良いと思います。
印刷をして大切にとっておきましょう。
【年間取引報告書】
「年間取引報告書」に英語で記載されている各項目の意味を解説していきます。
Closed Transactions:
意味は「取引結果」で、決済済み取引と入出金の一覧になります。
記載 | 意味 |
---|---|
Ticket | 取引番号 |
Open Time | 注文時間 |
Type | 取引種別 |
credit | ボーナス(口座開設や入金時に付与されます) |
balance | 口座残高(=現金) |
buy | 買い注文 |
sell | 売り注文 |
Size | ポジションサイズ(「ロット」や「枚数」の事) |
Item | 通貨ペア |
Price | 注文時の価格 |
S/L | ストップロス(損切り)価格 |
T/P | テイクプロフィット(利確)価格 |
Close Time | 決済時間 |
Price | 決済時の価格 |
Commission | 手数料 |
Taxes | 税金 |
Swap | スワップ金利 |
Profit | 利益(「-」なら「損失」の事) |
Open Trades:
意味は「現在、保有しているポジションの一覧」です。
Working Orders:
意味は「注文中ポジションの一覧」です。
Summary:
意味は「要約」で、年間取引報告書の作成時に指定した期間中の利益・損失などの合計が記載されています。
記載 | 意味 |
---|---|
Deposit/Withdrawal | 入金/出金の合計額 |
Closed Trade P/L | 期間中に生じた損益の合計額 |
① Balance | 口座残高(=現金) |
② Credit Facility | XMから付与されたボーナス+出金で減ったボーナスの合計 |
③ Floating P/L | 期間中の含み(ポジション保有中で確定していない)損益 |
Equity | 有効証拠金(=①+②+③) |
Margin | ポジション維持に必要な証拠金 |
Free Margin | 余剰証拠金 |
確定申告が必要か確認しよう!
そもそもXMのような海外FXでどれだけの利益を出すと、確定申告が必要になるのでしょうか。
ここまで年間取引報告書の見方を解説してきましたので、既にXMにおける1年間の利益が把握できるはずです。
1年間の利益は、年間取引報告書の<Summary>の「Closed Trade P/L」に記載されています。
この金額が、下記の表の金額を超える場合に確定申告が必要になります。
確定申告が必要になるライン
対象者 | 1年間の利益(1/1~12/31) |
---|---|
給与がある人(サラリーマンなど) | 20万円を超える(=確定申告が必要) |
給与がない人(個人事業主など) | 38万円を超える(=確定申告が必要) |
海外FXでかかる税金とは?
FXでかかる税金は「雑所得」で扱われ、「総合課税」と呼ばれる課税方式で計算されます。
そして最終的に、
- 所得税
- 住民税
また、これらの計算をする前に下記のものを手元に用意する事をオススメします。
- 前の項目で作成した「年間取引報告書」
- 会社から提出された源泉徴収票(給与所得者の場合)
海外FX利用者が税金を計算する方法
次に、海外FXで実際に取引している人のために、税金の計算方法を説明します。
① 「FX年間利益」を確認する。
1年間(1/1~12/31)に出した利益を確認しましょう。
「FX年間利益」は、年間取引報告書の<Summary>の「Closed Trade P/L」の金額を確認すれば分かります。
② 「合計所得」を計算する。
源泉徴収票の「支払金額」が会社から貰った給与です。
これと①の「FX年間利益」を足すと、「合計所得」が算出できます。
そのため「FX年間利益」は、所得の一部として計算します。
③ 「所得税率」と「所得控除」を確認する。
②の「合計所得」を下記の表に照らし合わせて、
- 所得税率
- 所得控除
を確認します。
「所得税率」「所得控除」の一覧
合計所得 | 所得税率 | 所得控除 |
---|---|---|
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円超え~330万円以下 | 10% | 97,500円 |
330万円超え~695万円以下 | 20% | 427,500円 |
695万円超え~900万円以下 | 23% | 636,000円 |
900万円超え~1,800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
1,800万円超え~4,000万円以下 | 40% | 2,796,000円 |
4,000万円超え | 45% | 4,796,000円 |
引用:国税庁「No.2260 所得税の税率」より
④ 「所得税」「住民税」を計算する。
③で分かった「所得税率」「所得控除」を使い、以下の計算式で「所得税」「住民税」が計算できます。
「所得税」=(「合計所得」―「所得控除」) ×「所得税率」
「住民税」=(「合計所得」―「所得控除」) ×「住民税率(一律10%)」
計算方法だけだとイメージしづらいと思いますので、下記の【計算例】で計算してみましょう。
海外FX利用者の税金計算シミュレーション
サラリーマンで海外FXをやっている場合
【 FX年間利益:30万円】
【年間給与所得:300万円】
① FX年間利益:30万円
② 「合計所得」=源泉徴収票の「支払金額」+「FX年間利益」
=300万円+30万円
=330万円
③ 【「所得税率」「所得控除」の一覧】より、
「所得税率」:10%
「所得控除」:97,500円
④「所得税」=(「合計所得」―「所得控除」) ×「所得税率」
=(330万円―97,500円)×10%
=32万250円
↓
「住民税」=(「合計所得」―「所得控除」) ×「住民税率=(一律10%)」
=(330万円―97,500円)×10%
=32万250円
上記の計算例から「合計所得」が195万~330万円の間なら、税金は「約20%」になると覚えておくと便利です。
しかし、【「所得税率」「所得控除」の一覧】から分かる通り、海外FXの税金は給与と合算して計算しますので、
利益が大きくなる毎に「所得税率」が大きくなる「累進課税」です。
あまり儲けすぎると、折角の利益も税金として徴収されてしまいます。
では、利益が出過ぎてしまった場合、税金を減らすための方法はあるのでしょうか?
次にそれを紹介します。
海外FXでかかる税金を抑える「節税方法」
前の見出しの冒頭で紹介した通り、海外FXの税金は「雑所得」で扱われます。
そして経費として計上するには、FXに関わるものなら全て対象にできます。
それでは、どんなものが経費になるのか見ていきましょう
①固定費
生活費の一部を「FXで使った」という事にすれば、経費として計上できます。
- ネット利用料金
- 電気代
- 業者問い合わせた時の通話代
- 借りているアパートの家賃(一部)
- マンション・持ち家の減価償却費(一部)
「トレードに必要となる割合だけ」が経費として認められます。
例えば、2LDKのマンションの1部屋でトレードしている場合は、借りている面積のうち、トレードに使用している部屋の面積で割合を出して、それを家賃にかけて計算します。
②FXの学習にかかった費用
FXを学習するのにかかった費用も経費にできます。
- 書籍代
- 新聞代
- FXに関するDVD
- FX公園・セミナー代
- FXの有料メルマガ代
③FXトレード環境
- パソコン
- プリンタ
- 外部モニター
- FX用の机やイス
- FXニュース視聴用のテレビ
④家族にトレードしてもらう
ほぼ裏技に近いやり方ですが、利益が出過ぎて
「もうこれ以上、利益を出したくない…」
という場合は、家族にトレードしてもらいましょう。
具体的には家族用の口座を開き、トレードの指示をアナタが出せばOKです。
そうすれば「合計所得」が下がり、「所得税率」も下がるので、節税になります。
実際どれ程の違いが出るか、計算してみましょう。
副業トレーダーの単身サラリーマンの場合
①年間給与:500万円
②FX年間利益:500万円
「合計所得」=①+②=1,000万円
「所得税」=(「合計所得」―「所得控除」) ×「所得税率」
=(1,000万円―1,536,000円)×33%
≒約279万円
副業トレーダーのサラリーマン+妻の場合
◆サラリーマン
①年間給与:500万円
②FX年間利益:400万円
「合計所得」=①+②=900万円
「所得税」=(「合計所得」―「所得控除」) ×「所得税率」
=(900万円―636,000円)×23%
≒約192万円
◆妻
①年間給与:0万円
②FX年間利益:100万円
「合計所得」=①+②=100万円
「所得税」=(「合計所得」―「所得控除」) ×「所得税率」
=(100万円―0円)×5%
=5万円
◆合計
サラリーマンの「所得税」+妻の「所得税」
=約192万円+約5万円
=約197万円
よって、差額は82万円になります。
結構高いので、やる価値は十分あると思います。
XMの年間取引報告書はスマホでも作れる?
残念ながら、年間取引報告書を作成できるのは
「PC版のMetaTrader」になります。
スマホ版のMetaTraderアプリでは年間取引報告書の作成はできません。
年間取引報告書が必要だけどパソコンを持っていない場合?
XMの利益を確定申告する必要があるけど、パソコンを持っていない…
そんな場合は、
「XMサポートに連絡をしてみましょう!」
年間取引報告書のような「取引履歴に関する書類」は、XMサポートに代理で作成してもらうことができます。
まとめ
ここまで、XMの年間取引報告書の作成方法などについて解説してきました。
最後に国内FXなら税率は、一律20.315%です。
もし利益が出過ぎて「合計所得」が330万円を超える場合は、国内FXへの切り替えを検討しても良いかもしれませんね。