取引時にスリッページの許容範囲を設定することはできません
他のサイトでは、XMのMT4の「ツール」→「オプション」→「取引」→「価格誤差のデフォルト」から、
「許容スリッページ幅を設定することができる!」と解説している記事もあります。
しかし、この情報は誤りです。
その理由について、この記事で詳しく解説していきます!
FX基礎知識:そもそもスリッページとは?
FXにおけるスリッページとは、
注文時のレートと約定時のレートの価格差のことを表します。
例えば、YJFX!の取引画面だと、以下の画像のように「スリッページ」の設定ができます。
スリッページを「1.0」に設定すると、1pips以上注文時の価格とずれるようであれば、自動的に約定が拒否されます。
XMは許容スリッページ幅を設定できない
XMのMT4/MT5上では、
残念ながら「スリッページの許容範囲」をあらかじめ設定することはできません。
他の情報サイトでは、MetaTraderの
「ツール」→「オプション」→「取引」→「価格誤差のデフォルト」から
「許容スリッページ幅を設定できます!」と解説している場合もあります。
しかし、この情報は間違いです。
実際にXMサポートに問い合わせてみました。
XMのMT4/MT5では、オプションからデフォルトのスリッページを設定したとしても、
実際の取引には反映されない仕様になっています。
この理由はFX業者によって、「許容スリッページ幅を設定オプション」を設置している場合としていない場合があるためです。
FX業者によってはMetaTraderの「スリッページ」のオプションが無効の場合がある
同じMetaTraderを採用している業者でも、取引時のスリッページ幅の設定オプションを「有効にしている業者」と「無効にしている業者」があります。
これは、MetaTraderのオーダー発注画面を見ると一発でわかります。
MetaTraderで許容スリッページ幅を設定できる場合
注文画面に、
「提示価格との価格誤差を有効にする」
と表示されている場合は、トレーダーが事前に許容スリッページ幅を設定することができます。
MetaTraderで許容スリッページ幅を設定できない場合
注文画面に、
「成行注文は、市場状況によって約定価格が決まりますので、必ずしも提示価格で約定するとは限りません。」
と表示されている場合は、トレーダーが事前に許容スリッページ幅を設定することはできません。
MT4
「提示価格の価格誤差を有効にする」?
「許容スプレッド指定」の事かな?
前からあったかな、こんなん
業者によると思うけど。 pic.twitter.com/32z0BOwDPA— 小銭党@͎党首為替航海士 (@fx_kozeni) June 26, 2018
「ツール」から設定できるのは「スリッページのデフォルト値」
MT4/MT5の「ツール」→「オプション」→「取引」→「価格誤差のデフォルト」から設定できるのは、
注文画面にデフォルトで入力されるスリッページの値です。
もともとMT4の注文画面に「スリッページ幅の入力オプション」が設置されていないFX業者の場合は、
「ツール」→「オプション」→「取引」→「価格誤差のデフォルト」からスリッページの値を設定していても無意味です。
「約定率ほぼ100%」には罠がある
海外FX業者では「スプレッド」と「約定力」が大切というのは事実ですが、
いくらスプレッドが狭くて、約定率が100%に近くても、
注文価格と約定価格がずれる「スリッページ」が広ければ意味がありません。
XMは「安全性」「人気」の面で優れているのは間違いないですが、
「低スプレッド」×「約定率ほぼ100%」を鵜のみにしてしまうのは危険です。
例えば、
- 約定率99%
- ドル円平均スプレッドが0.1pips
しかし、実際に取引をしたとき、毎回スリッページが1.0pips発生してしまう業者では、
実質スプレッドは1.1pipsになります。
海外FXで許容スリッページ幅を設定して取引できる業者は?
海外FXで主流の取引プラットフォームは2種類あります。
- MetaTrader(MT4/MT5)
- cTrader
取引時にスリッページの許容範囲をあらかじめ設定することができます。
cTraderにはデフォルトで、
「トレーダーがスリッページの許容範囲を設定できるオプション」が設置されています。
間違いなく許容スリッページ幅の設定が機能します!
逆にMetaTraderは、FX業者が取引ソフトの内部をいじれるので、
FX業者に有利な取引システムにカスタマイズできてしまうという問題点があります。
これは、MetaTraderが採用されているのに詐欺業者だった!という場合が存在する一因でもあります。
このうち、AXIORYはなんと、
スリッページ発生率のデータをトレーダーに公開しています。
それぞれの業者の特徴は、以下の記事でまとめています。